このサイトは、警察庁に23年間勤めた弁護士による、コンプライアンス、リスク管理、反社会的勢力対策などの企業法務と犯罪被害者問題、児童ポルノ問題など放置されている様々な社会問題について発信するサイトです。


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児童ポルノの単純所持の禁止は「与野党協議」でなく「採決」を

児童ポルノの単純所持の禁止は「与野党協議」でなく「採決」を
 是非とも、児童ポルノの単純所持の禁止・処罰化を内容とする法改正を今国会で実現してほしいということは、既にシンクキッズのHP(有効な対策を講じない政治・行政への怒りのブログ1)でも述べているところですが、自民党・公明党は、今国会での衆参法務委員会での採決については(提出していただくことを前提として書いていますが)、議員立法でよくみられる「与野党協議」を経たうえで全会一致を目指すのではなく、第169回国会に提出され、第171回国会、2009年6月26日に衆議院法務委員会で議論された自民党・公明党提出案について採決して、成立させてほしいと思います。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm
 児童ポルノ禁止法は、1999年、2004年と、いずれも全会一致で成立・改正されてきました。そのために、必要な規制が大幅に抜け落ちてきたという歴史があります。事前の「与野党協議」で規制に反対・慎重な民主党などに配慮してきたからです。その結果、1999年の法律成立時に児童ポルノの単純所持の禁止が見送られましたし、2004年改正法の折も同様です(処罰化しない案すら見送られたのです)。全会一致にこだわるあまり、必要な規制が長年なされなかったのです。2009年には、ようやく単純所持の禁止と処罰化を内容とする自民・公明案とそれに反対する民主党案が別々に提出されましたが、採決に至りませんでした。この折には、衆議院法務委員会で民主党の枝野幸男議員が単純所持禁止に反対する論陣を張りました。
 単純所持の禁止・処罰化は、性虐待を受け被写体とされた子どもの苦しみを少しでも少なくするために不可欠な規制です。それを放置することは性虐待を受け被写体とされた子どもの凄まじい苦しみを容認するものであり、良識のある人間には議論の余地のない、国際社会でははるか昔から当然のこととされている規制です。規制というよりも、虐げられた子どもを守るために当たり前の対策です。それをいまだ放置している日本に対して国際社会から強い懸念が示されています。それにもかかわらず、日本には長年反対し続けている民主党という政党とそこに所属する議員がいるわけですが(それと日弁連や多くの弁護士も反対していますが)、この際、どこの政党のどの議員が規制に反対しているのか、国民にはっきりとさせることが必要です。7月に予定されている参議院選挙に当たって、国民にとっても必要不可欠な情報です。

 民主党は、2007年6月、政府提出の犯罪被害者の司法参加を認める刑事訴訟法の改正案の審議の際、被害者参加制度に反対し、被害者参加を認めない改正案を独自に作成し、国会に提出しました。ところが、驚くべきことに、法務委員会での採決の際、最初に採決に付された民主党提出案が否決された後に、採決に付された政府提出法案には賛成したのです。それなら、最初から被害者参加に賛成すべきでしょう。
 わたしは、全国犯罪被害者の会(あすの会)の顧問弁護団の一員として、被害者参加の実現を目指して、民主党の議員多数に陳情しました。いずれの議員も被害者参加に反対で、「加害者の権利はどうなるのか」などと言って冷淡な扱いを受けました。この折には、被害者参加に反対する日弁連が民主党に対して活発なロビー活動を行っていたことも影響していたと思います。
 しかし、いざ政府提出法案が採決される段になると、驚くべきことに賛成に回ったのです。私は法務委員会で傍聴していましたが、本当にびっくりしました。私たちは、高齢の犯罪被害者遺族の方も多数含め、民主党に賛成してもらおうと多数の民主党議員のところに必死で陳情して回ったのです。一体どういうつもりなのか、底意地の悪い党だなあとも思いましたが、今では、被害者参加の法案に反対することは、国民に対して得策でないという方針が、採決の時点で出たのではないかと推測しています。「与野党協議」を続けて政府案から被害者参加制度を落とさせる、あるいは審議を長引かせるなどして継続審議とし政府案が採決に至らなければ、反対したことは世間に明らかになりませんが、この法務委員会では、犯罪被害者の強い思いをご理解いただいた当時の安倍総理の指示を受け自民・公明党が全力で被害者参加制度を実現させるべく、委員会運営を強気で行っていただき(拙著「なぜ被害者より加害者を助けるのか」p2参照)、その結果、採決されるまでにこぎつけていただいたわけです。実際に民主党の高山智司議員は「もうちょっと修正協議を続けてもよかったかなと。早めに採決というようなことになってしまった」旨委員会で発言しています(2007年6月1日衆議院法務委員会議事録)。
 実際に採決で反対すると被害者に冷淡な民主党ということが明確になることから、それは得策でないと判断し、土壇場で回避したのではないかと推測しています。民主党にはこの推測が違うのなら、なぜこんな前代未聞のことをしたのか、本当の理由を教えてほしいと思います。

 このような前科のある民主党ですから、児童ポルノ禁止法の改正案の採決に当たっても、同様の行動に出るかもしれません。反対したことが明らかになれば、来るべき参議院選挙で国民からさらに見放されるからです。
 いずれにせよ、不必要な事前の「与野党協議」で単純所持の禁止・処罰化を見送ることはもちろん、民主党に妥協した甘い規制にするなど骨抜きにすることのないよう、自民党・公明党の皆さんには強くお願いしたいと思います。国民のほとんどは、自民・公明案を支持しているのです。是非とも変な妥協をしないよう、がんばっていただきたくお願いする次第です。
後藤コンプライアンス法律事務所
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