このサイトは、警察庁に23年間勤めた弁護士による、コンプライアンス、リスク管理、反社会的勢力対策などの企業法務と犯罪被害者問題、児童ポルノ問題など放置されている様々な社会問題について発信するサイトです。


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ブロッキングの実施へ総務大臣の決断への賛成と注文

ブロッキングの実施へ総務大臣の決断への賛成と注文
2010年5月5日
 2010年5月4日づけ読売新聞では、原口総務大臣は、児童ポルノ対策としてプロバイダなど関連業者に対し児童ポルノの閲覧を遮断する「ブロックキング」の実施などの自主規制を求める方針を固めた、と報じられています。
 これまで総務省はブロッキングは通信の秘密を侵害し許されないと判断していました。少なくとも問題ないとは明言していませんでした。そこで、わたしが代表幹事を務める「児童ポルノを許さない社会を実現するための弁護士フォーラム」では、本年4月、総務大臣、プロバイダ各社、携帯電話各社、検索サービス提供各社に別添の要請書を送付するとともに、総務省の階政務官に直接会ってブロッキングの早期実施を要請したところです。 
 これまでブロッキングに反対していた総務省が方針を変更し、反対していたプロバイダ業界等に対して、このような要請を行うことは誠に歓迎すべきことです。
 しかし、同紙でも触れられていますが、ブロッキングをプロバイダなどが実施する法的根拠については、刑法35条の「正当行為」か刑法37条の「緊急避難」かで意見が分かれています。今回の総務省の方針についても、許される根拠として「正当行為」か「緊急避難」のいずれと判断しているのか分かりません。
 別添要請書に記載しているとおり、プロバイダ等がブロッキングを実施することは児童ポルノの被写体とされた子どもが世界中の人の目に触れることを防ぐものであり、子どものすさまじい苦しみを少しでも軽減するものであって、プロバイダ等の正当な行為であることに疑いはないと考えています。むしろ、多少の費用がかかるにせよ容易に行えるにもかかわらず、行わないほうが違法性を有する疑いがあり、少なくとも社会的責任の観点からの非難は免れないでしょう。海外の多くの国では自主的にプロバイダが実施しています。刑法の観点からいえば、刑法35条の「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」とあるところの、この「正当行為」に当たると確信しています。
 ところが、総務省の担当補佐によれば、通信の秘密を侵害する場合でも電気通信事業法上の目的であれば刑法35条の正当業務行為となりうるが、子どもの保護などそれ以外の目的であれば正当業務行為とはなりえない、と解釈しており、「ブロッキング」も刑法35条で違法性が阻却されるとは解釈できない、ということでした。
 しかし、このような見解は、ちょっと聞いただけでお分かりのように、極めて形式的で十分な根拠があるとはいえないばかりか、刑法の通説的見解にも反し、国民の常識にも反するものと考えます。(わたしもこの説明を直接聞いたときは驚き、その解釈は内閣法制局と調整したものかと尋ねたところ、そうではないと言っていましたが。)
 なぜなら、刑法35条は「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」と規定し、本条は社会的に相当な行為は違法性を阻却する趣旨と解されているところ、ブロッキングは、著しい人権侵害をされている被写体とされた子どもを保護する目的で行われるものであり、侵害するとされる通信の秘密も経路情報にすぎないものですから、目的は正当で手段も必要最小限にとどまるものであり、刑法35条の「正当行為」として違法性が阻却されることは十分に根拠があることと考えられるからです。これまでもプロバイダが行っているウィニー等のファイル共有ソフトウェアに係る帯域制御が違法性が阻却されるとされていることも、同様の枠組みで解釈されているものと考えられます。
 法解釈の観点からは上記のように考えられるのですが、実効性という観点からも刑法35条の「正当行為」と解釈されなければ甚だ不十分なことになります。刑法37条の緊急避難が認められるためには、「補充性」「緊急性」という厳格な要件が必要とされており、それが裁判所で認められたことはほとんどありません。ブロッキングの対象となる児童ポルノかどうかを判断する際にその問題があらわれます。たとえば、この児童ポルノは日本のサーバーにあるから日本の警察が取り締まることができるので、緊急避難にあたらず、ブロッキングの対象ではない、とか、この児童ポルノの画像は顔が横を向いており誰か分かりにくいから、緊急避難にあたらず、ブロッキングの対象ではない、とかそういうことが起こりかねないのです。これでは折角やる意味が大きく損なわれてしまうのです。やりたくないために「緊急避難」と解釈するのか、とすら思えます。
 したがって、総務省は、ブロッキングは刑法35条の「正当行為」として違法性が阻却されるものであると解釈を示すべきであり、そうでない解釈を示した場合には、警察庁、法務省その他の関係省庁が異議を示し、政府としてまともな法解釈を示すべきでしょう。
 さらに、プロバイダ各社、携帯電話各社、検索サービス提供各社は、総務省に対して、刑法35条の「正当行為」として実施するべきだ、という意見を表明するべきでしょう。ブロッキングは、児童ポルノの被写体とされた世界中の多くの子どもを救うという極めて意義のあることであり、企業の社会的責任を果たすものとして圧倒的多数の国民の支持が得られるものなのです。これまで反対してきたことは企業のコンプライアンス、社会的責任の観点からは誠に残念なことですが、総務省がやろう、と言ってきたこの時点で、より多くの子どもを救う方法でやろう、と是非こたえてもらいたいものです。
 これまで、ニフティ、ソネット、OCNといった大手プロバイダは、子どもの水着姿の画像を会員制で販売するなどして社会的非難を浴びてきました。いまこそ汚名挽回のチャンスではないでしょうか。この問題についてはわたしのブログ「子どもの水着姿の画像提供を行う企業のコンプライアンス」でも述べていますが、これらの企業の社外取締役、社外監査役も執行部の判断に委ねることなく、前向きにやれ、と意見を言うべきでしょう。是非とも、プロバイダ各社、携帯電話各社、検索サービス提供各社には社会的責任を果たしてもらいたいと思います。今回の総務省の要請を断ることは論外ですが、どうせやるなら、一人でも多くの子どもを救うためにいいやり方でやろうという気持ちをもってほしいです。そしてそれこそ企業価値を高めることにもなるのです。


総務省あて要請文
2010年3月31日
児童ポルノを許さない社会とするための緊急アピール
児童ポルノを許さない社会を実現するための弁護士フォーラム
代表幹事 弁護士 後藤啓二
 わが国は「児童ポルノ天国」と諸外国から厳しい批判を浴びています。
 児童ポルノは「諸悪の中の最大の悪」です。児童ポルノの多くは子どもに対するおぞましい性的虐待を映したものであり、そこに映っているのは犯罪そのものです。そしてその対象は今や乳幼児にまで拡大しています。
 児童ポルノの被写体とされた子どもの多くは顔をさらされたまま、その画像はインターネット上に永遠に流通しています。そのような画像をみられることは、被写体とされた子どもにとってすさまじい苦しみであり、その苦しみは大人になっても、生涯続きます。特に、インターネットで不特定多数の人に見られることはすさまじい苦しみなのです。児童ポルノを見て楽しむことは誰も傷つけないことではないので、規制すべきでないということは、児童ポルノを楽しむ者の享楽のために子どもに対してすさまじい苦しみを与えつづけることなのです。
 ご承知のとおり、ヨーロッパの多くの国や韓国では、プロバイダにより既にインターネット上の児童ポルノを閲覧することができなくするブロッキングという取組が実施され、被写体とされた子どもの画像が閲覧されることが防止されています。
 わが国でも同様の取組が早急に必要です。仄聞するところ、総務省は、通信の秘密を侵害する場合でも電気通信事業法上の目的であれば正当業務行為となりうるが、子どもの保護などそれ以外の目的であれば正当業務行為とはなりえない、と解釈されているようですが、このような見解は、極めて形式的で十分な根拠があるとはいえないばかりか、刑法の通説的見解にも反し、国民の常識にも反するものと考えます。
 なぜなら、刑法35条は「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」と規定し、本条は社会的に相当な行為は違法性を阻却する趣旨と解されているところ、ブロッキングは、著しい人権侵害をされている被写体とされた子どもを保護する目的で行われるものであり、侵害するとされる通信の秘密も経路情報にすぎないものですから、目的は正当で手段も必要最小限にとどまるものであり、刑法35条の「正当行為」として違法性が阻却されることは十分に根拠があることと考えられるからです。これまでもプロバイダが行っているウィニー等のファイル共有ソフトウェアに係る帯域制御が違法性が阻却されるとされていることも、同様の枠組みで解釈されているものと考えております。
 したがいまして、総務省におかれては、早急にブロッキングは刑法35条の「正当行為」として違法性が阻却されるものであると解釈を示し、プロバイダ各社によるブロッキングの実施に協力していただきたく要請いたします。また、心あるプロバイダが、児童ポルノの被写体とされた世界中の多くの子どもを救うため、企業の社会的責任を果たす観点から自主的にブロッキングを実施しようとする場合には、それを妨げることのないよう強くお願いいたします。
 なお、プロバイダ各社、携帯電話会社、検索サービス提供会社には別紙1,2,3の要請書を提出しておりますこと及び3月31日に我々が行いました記者会見では別紙4の資料をマスコミ各社に配布しておりますことを申し添えます。


プロバイダ各社・団体あて要請文
2010年3月31日
児童ポルノを許さない社会とするための緊急アピール
児童ポルノを許さない社会を実現するための弁護士フォーラム
代表幹事 弁護士 後藤啓二
 わが国は「児童ポルノ天国」と諸外国から厳しい批判を浴びています。
 児童ポルノは「諸悪の中の最大の悪」です。児童ポルノの多くは子どもに対するおぞましい性的虐待を映したものであり、そこに映っているのは犯罪そのものです。そしてその対象は今や乳幼児にまで拡大しています。
 児童ポルノの被写体とされた子どもの多くは顔をさらされたまま、その画像はインターネット上に永遠に流通しています。そのような画像が流通し、誰にでも見られることは被写体とされた子どもにとってすさまじい苦しみであり、その苦しみは大人になっても生涯続きます。特に、インターネットで永遠に不特定多数の人に見られることはすさまじい苦しみなのです。児童ポルノを見て楽しむことは誰も傷つけるものではないので、規制すべきでないということは、児童ポルノを楽しむ者の享楽のために子どもに対してすさまじい苦しみを与えつづけることなのです。
 ご承知のとおり、ヨーロッパの多くの国や韓国では、既にプロバイダによりインターネット上の児童ポルノを閲覧することができなくするブロッキングという取組が実施され、被写体とされた子どもの画像が閲覧されることが防止されています。
 わが国でも同様の取組が早急に必要です。仄聞するところ、プロバイダ業界はブロッキングが通信の秘密を侵害し許されないとお考えときいております。しかし、刑法35条は「法令又は正当な業務による行為は、罰しない。」と規定しているところ、本条は社会的に相当な行為は違法性を阻却する趣旨と解されています。ブロッキングは、著しい人権侵害をされている被写体とされた子どもを保護する目的で行われるものであり、侵害するとされる通信の秘密も経路情報にすぎないものですから、目的は正当で手段も必要最小限にとどまるものであり、刑法35条の「正当行為」として違法性が阻却されると考えることは十分に根拠のあることと考えます。これまでもプロバイダが行っているウィニー等のファイル共有ソフトの使用に係る帯域制御が、違法性が阻却されるとされていることも、同様の枠組みで解釈されているものとお聞きしております。
 この点、総務省は、通信の秘密を侵害する場合でも電気通信事業法上の目的であれば正当業務行為となりうるが、子どもの保護などそれ以外の目的であれば正当業務行為とはなりえない、と解釈されているようですが、このような見解は、極めて形式的で十分な根拠があるとはいえないばかりか、刑法の通説的見解にも反し、国民の常識にも反するものと考えます。
 したがいまして、プロバイダ各社におかれましては、ブロッキングは刑法35条の「正当行為」として違法性が阻却されると解することは十分に根拠のあることと考えられますことから、総務省の見解の変更を待つことなく、「正当行為」としてブロッキングを早急に実施していただきたく要請いたします。このような取組は、児童ポルノの被写体とされた世界中の多くの子どもを救うという極めて意義のあることであり、企業の社会的責任を果たすものとして圧倒的多数の国民の支持が得られるものであることを確信いたします。
 なお、総務省あてに別紙1の要請書を提出しておりますこと及び3月31日に我々が行いました記者会見では、別紙2の資料をマスコミ各社に配布しておりますことを申し添えます。


携帯電話各社あて要請文
2010年3月31日
児童ポルノを許さない社会とするための緊急アピール
児童ポルノを許さない社会を実現するための弁護士フォーラム
代表幹事 弁護士 後藤啓二
 わが国は「児童ポルノ天国」と諸外国から厳しい批判を浴びています。
 児童ポルノは「諸悪の中の最大の悪」です。児童ポルノの多くは子どもに対するおぞましい性的虐待を映したものであり、そこに映っているのは犯罪そのものです。そしてその対象は今や乳幼児にまで拡大しています。
 児童ポルノの被写体とされた子どもの多くは顔をさらされたまま、その画像はインターネット上に永遠に流通しています。そのような画像が流通し、誰にでも見られることは被写体とされた子どもにとってすさまじい苦しみであり、その苦しみは大人になっても生涯続きます。特に、インターネットで永遠に不特定多数の人に見られることはすさまじい苦しみなのです。児童ポルノを見て楽しむことは誰も傷つけるものではないので、規制すべきでないということは、児童ポルノを楽しむ者の享楽のために子どもに対してすさまじい苦しみを与えつづけることなのです。
 ご承知のとおり、ヨーロッパの多くの国や韓国では、既にプロバイダによりインターネット上の児童ポルノを閲覧することができなくするブロッキングという取組が実施され、被写体とされた子どもの画像が閲覧されることが防止されています。
 わが国でも同様の取組が早急に必要です。刑法35条は「法令又は正当な業務による行為は、罰しない。」と規定しているところ、本条は社会的に相当な行為は違法性を阻却する趣旨と解されています。ブロッキングは、著しい人権侵害をされている被写体とされた子どもを保護する目的で行われるものであり、侵害するとされる通信の秘密も経路情報にすぎないものですから、目的は正当で手段も必要最小限にとどまるものであり、刑法35条の「正当行為」として違法性が阻却されると考えることは十分に根拠のあることと考えます。これまでもプロバイダが行っているウィニー等のファイル共有ソフトの使用に係る帯域制御が、違法性が阻却されるとされていることも、同様の枠組みで解釈されているものとお聞きしております。
 この点、総務省は、通信の秘密を侵害する場合でも電気通信事業法上の目的であれば正当業務行為となりうるが、子どもの保護などそれ以外の目的であれば正当業務行為とはなりえない、と解釈されているようですが、このような見解は、極めて形式的で十分な根拠があるといえないばかりか、刑法の通説的見解にも反し、国民の常識にも反するものと考えます。
 したがいまして、携帯電話各社におかれましては、ブロッキングは刑法35条の「正当行為」として違法性が阻却されると解することは十分に根拠のあることと考えられますことから、総務省の見解の変更を待つことなく、「正当行為」としてブロッキングを早急に実施していただきたく要請いたします。このような取組は、児童ポルノの被写体とされた世界中の多くの子どもを救うという極めて意義のあることであり、企業の社会的責任を果たすものとして圧倒的多数の国民の支持が得られるものであることを確信いたします。
 なお、総務省あてに別紙1の要請書を提出しておりますこと及び3月31日に我々が行いました記者会見では、別紙2の資料をマスコミ各社に配布しておりますことを申し添えます。


検索サービス提供会社あて要請文
2010年3月31日
児童ポルノを許さない社会とするための緊急アピール
児童ポルノを許さない社会を実現するための弁護士フォーラム
代表幹事 弁護士 後藤啓二
 わが国は「児童ポルノ天国」と諸外国から厳しい批判を浴びています。
 児童ポルノは「諸悪の中の最大の悪」です。児童ポルノの多くは子どもに対するおぞましい性的虐待を映したものであり、そこに映っているのは犯罪そのものです。そしてその対象は今や乳幼児にまで拡大しています。
 児童ポルノの被写体とされた子どもの多くは顔をさらされたまま、その画像はインターネット上に永遠に流通しています。そのような画像をみられることは、被写体とされた子どもにとってすさまじい苦しみであり、その苦しみは大人になっても、生涯続きます。特に、インターネットで永遠に不特定多数の人に見られることはすさまじい苦しみなのです。児童ポルノを見て楽しむことは誰も傷つけるものではないので、規制すべきでないということは、児童ポルノを楽しむ者の享楽のために子どもに対してすさまじい苦しみを与えつづけることなのです。
 このような被害者の苦しみを少しでも少なくするためには、児童ポルノを検索エンジンにより検索した場合に検索結果として表示されないような措置を講じることが極めて効果的です。
 したがいまして、検索サービス提供会社におかれましては、既にフィルタリング等のレイティング技術により、このような機能をオプションで提供されていると承知しておりますが、児童ポルノにつきましてはその被害の甚大さに鑑み、あらゆる場面で表示されないような機能として運用していただくよう要請いたします。このような取組は、児童ポルノの被写体とされた世界中の多くの子どもを救うという極めて意義のあることであり、企業の社会的責任を果たすものとして圧倒的多数の国民の支持が得られるものであることを確信いたします。
 なお、3月31日に我々が行いました記者会見では、別紙の資料をマスコミ各社に配布しておりますことを申し添えます。
後藤コンプライアンス法律事務所
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