このサイトは、警察庁に23年間勤めた弁護士による、コンプライアンス、リスク管理、反社会的勢力対策などの企業法務と犯罪被害者問題、児童ポルノ問題など放置されている様々な社会問題について発信するサイトです。


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不況下におけるコンプライアンスとCSR

 現在の不況下で、多くの企業で人員削減が進むなど猛烈なコストカットが行われようとしています。しかし、コストカットの一環として、コンプライアンス・リスク管理、CSRの取組を減退させることは企業にとって大変大きなリスクとなることを銘記すべきでしょう。

 ある企業の方と話をしていて、これだけの不況になれば、談合やカルテルが復活するのではないかという話をしておられました。もし、こういう企業があれば、言うまでもないことですが、益々自分の首をしめることとなります。

 また、産地偽装や様々な認定の不正取得事案が引きも切らず明らかになっていますが、コストカットや利益獲得のためにこうした事案も改まらないのではないかというはなしも聞きました。

 大部分の企業はそのようなことをすることはないと思っておりますが、ごく一部の企業のごく一部の幹部が「この不況下で生きていくためには仕方ないんだ」として、法令違反をあえて行おうとする人が出てくるのかもしれません。

 しかし、内部告発が当たり前となり、厳罰化が進んでいる中で、このようなことをすれば、遅かれ早かれ発覚し、厳罰を科され、大ダメージを受け、それこそ倒産の危険すら生じることになるでしょう。

 こういうときこそ、トップは、コンプライアンスの重要性を強調し、絶対に法令違反、グレーな行為をしないことを徹底する必要があります。

 それにつけても思うのは、コンプライアンスの浸透の難しさです。不況になったぐらいでぐらつくようでは心もとない限りです。

  わたしは、いろんな場で、社会は変わったんだ、昔なら許された行為でもコンプライアンス違反をすると大変なダメージになる、実例を挙げてこれだけの企業が不祥事で大変なことになっているという話をしていますが、こういう「北風」の話だけではコンプライアンスは浸透しないように思います。頭の中では分かっても、心には「すとん」とは落ちていない、納得していない人が多いように思います。

 多くの人がコンプライアンスの重要性につき納得するためにはどうすればいいか、遠回りのようですが、CSR活動を日頃から多くの社員が実際に体験しているということが効果があるように思います。

 わたしは、いま、日本小売業協会さんの倫理・研修委員会でCSRをテーマとしてコーディネーターをしております。先日、資生堂さんのCSRの取組を聞かせていただきましたが、資生堂さんのCSRの取組は素晴らしいものがあります。中でも、セラピーセミナーとして、老人ホームでお年寄りの顔にお化粧を施すという活動をしておられますが、特に女性のお年寄りは化粧をされると皆さん生き返ったように生き生きされ、大変なお喜びになるそうです。それをみた社員の方はうれしくなり、自分の仕事に誇りを持ち、仕事を通じあるいはプライベートでも社会貢献をしようという気になるということです。

  こういう活動をしている会社では、「コンプライアンス、コンプライアンス」というまでもなく、法令違反を起こす可能性は極めて低いでしょう。自分の企業に誇りを持ち、自分が社会に貢献していると実感している社員が、法令違反を起こすことは通常は考えられないことです。このような会社ではコンプライアンス研修など行わなくとも、コンプライアンス意識は浸透していると確信します。

 資生堂さんの取組から、企業はコンプライアンスの浸透のためには、本業を通じた社会貢献活動を多くの社員に実際に体験してもらうようにすることが、遠回りなようで、実は極めて有用な取組ではないかと感じている次第です。本業を通じたCSRであれば、不況下でも中止されることは少ないでしょうから、こういう点でも大いに期待できる取組だと思います。
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