このサイトは、警察庁に23年間勤めた弁護士による、コンプライアンス、リスク管理、反社会的勢力対策などの企業法務と犯罪被害者問題、児童ポルノ問題など放置されている様々な社会問題について発信するサイトです。


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子供の水着姿の画像提供を行う企業のコンプライアンス(2)

 平成20年9月30日読売新聞朝刊に「女児画像サイト3社が提供中止 大手プロバイダー」という記事が掲載されました。わたしは10月1日付のブログで、事業を継続すると表明していた、NTTコミュニケーションズの運営するOCN、ソニーの子会社、ソネットエンタテイメントのソネット、ニフティの対応について、

 OCN、ニフティ、ソネットの各社の対応は、コンプライアンスのみならず危機対応の観点からも疑問です。子どもを持つ親や良識ある国民が子どもを性の対象とする内容の営業を継続するプロバイダをどう判断するのか。その他の利用者、株主、取引先、監督官庁にどう説明するのか。(略)
 これらの各社は、目先の利益に目を奪われ、コンプライアンスの点のみならず危機対応にも失敗したものといえるでしょう。

と書きましたが、その前日に、事業の中止を決定していたようです。
 当然と言えば当然の決定なのですが、これら三社の危機対応上の問題は、読売新聞から取材があったときに、いとも簡単に、

 OCNは「水着や布を身に付けており、児童ポルノには該当しない。」、ニフティとソネットは「サービス内容がだんだん過激になっていったかもしれない」としながらも、当面中止の予定はない

と回答してしまったことです。わたしは前回のブログに、

 ビッグローブを除いた各社は、トップにまで上げずにかかる方針を決めたのであれば企業風土が問題ですし、トップにまで上げての判断であれば経営責任の問題となるでしょう。

と書きました。これは、社長まであげてかかる事業を継続するという決定をする大企業は少ないだろうという推測は持っていたのですが、情報不足でしたのでこのように書きましたが、直ちに方針が変更されたところをみると、やはり広報部門か営業部門限りでの対応でなかったかと推測いたします。

 企業に対して、マスコミからの問い合わせはよくあることですが、不祥事あるいは不適切な事柄に対して取材があったときに、広報部門は企業防衛の意気込みが強すぎて、とにかくまずは「問題がない」と対応することがいいと思っているところが少なくないように思います。

 わたしが都道府県警察に勤務していた頃、ある企業を不祥事で摘発したことがありますが、その際、その企業は摘発された行為のほかにも、法律違反ではありませんが、不適切な行為を行っていたことが発覚しました。この点をマスコミから取材された際、広報の担当者は「法律に違反していたというんですか。被害者がいるなら言ってください。」と逆切れしていました。
 マスコミの取材に対して、自信を持って問題ないといえる行為について問題ないと答えることは当然ですが、法律違反でなくともコンプライアンス上問題とされることはいくらでもあるわけで、胸を張って言えることでないものについて、直ちに内部で検討することなく「法律違反でない」、「問題はない」と回答することは、今回のケースのようにとんでもないことになりかねません。
 マスコミの取材の最前線に立つ広報部門では、「ハリネズミ」状態にならずに、消費者、一般国民と意識を共有し、法律違反でなくとも社会的に問題のあることについては問題あると認め、改善する旨を直ちに表明するという方針で、日頃から臨むことが必要だと考えます。もちろん、かかる方針はトップがとる必要があるわけで、トップのかかる方針の採用と現場への徹底という取組が最も重要であることは言うまでもありません。
以上
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